いかしてる雪国のおばあちゃん

かっとびおばあちゃん

竜王スキー場に仕事で行ってきたとき、森をはずれたとあるお店の前で、写真のおばあちゃんを見かけた。はじめはおばあちゃんだとはわからなかった。だってまさかスノーモービルにおばあちゃんがねえ。

目的は買い物だったようだ。店の前まで「ぶぉ〜ん、ぶぉ〜ん」とエンジンうならせやってくると、ひょいとターンさせ、「あ、よっこいしょっと、はあ〜」みたいなかんじで布袋を手にマシンから降りる。おいおい、ちょっと腰も曲がっちゃってるよ。ちょうど田舎の農道で、スーパーカブに乗ったおばあさんを見るような感じかな。でも、それよりずっと印象深い光景だ。

しばらくのちぼくは温泉目指して樹林の雪道を歩いていた。やがて風呂上りの若い男の子たちとすれちがう。ピアス、茶色い髪、たら〜んとしたファッションが目を引く。話の内容から察してスノーボードをしにやってきたらしい。かれら、都会の子達なんだろう。足元の雪に足をとられよろよろ歩いている。

そのときだ。おっ、またさっきの元気なエンジン音。あの音は、おばあちゃんのスノーモービルだ!

ピアスの子らがあわてて道を譲るのをかきわけ、おばあちゃんのスノーモービルがこっちへやってくる。結構な上り坂だから、おばあちゃん、アクセルをあおるあおる。これは迫力ある。
買い物すませたらしいおばあちゃんはエンジンをうならせて、森の中へとさっさと去っていきました。